８．関係代名詞

英文法講座の8回目は、関係代名詞を取り扱います。

関係代名詞は、分詞構文に続いて重要項目です。

　名詞（句）を節で修飾する場合に用いる形容詞節である。
　名詞（句）は、it, they, she, him, them, his, their その他の代名詞で受けることができます。代名詞が受ける名詞（句）は先行詞と呼びます。

＜１．関係代名詞の意味＞
　・She is a girl. She plays the piano very well.
　　→She is a girl who[that] plays the piano very well.

　・The man is my uncle. You met him in the park.
　　→The man whom[that] you met in the park is my uncle.

　・The dog is a dachshund. Its legs are short.
　　→The dog whose legs are short is a dachshund.

　（注意）
　　☆関係代名詞は、先行詞の内容を明確にする働きをする。
　　☆疑問詞whoやwhichを先行詞とする関係代名詞は、that。
　　☆所有格の関係代名詞は、人、動物、物事に関係なく、whoseを用いる。
　　☆関係代名詞 thatには、関係代名詞節の中で補語の働きをしている場合もある。
　　　You have made me the man that I am.
　　☆目的格の関係代名詞は、省略できる。（省略されても、関係代名詞とわかるから）

＜２．関係代名詞のwhat＞
　・whatは先行詞を含む特殊な関係代名詞である。
　　what= the thing(s) which[that]　と考えるとよい。
　　
　　What(The things that) you have left behind could be unthinkable.
　　Kyoto is quite different from what(the city that) it used to be.
　　This is what(the age that) is being heralded as the age of shorter working hours.

＜３．関係代名詞の継続用法＞
　　関係代名詞節が先行詞の内容に後から説明を付け加えたもので、普通、関係代名詞の前にコンマが置かれ、先行詞になるものは、語（句）の他に節の場合もある。
　　,who ,which　の２つのみ

　　He had two daughters, who became nurses.　（継続用法）
　　彼には、二人の娘いて、その二人は看護師になった。

　　He had two daughters who became nurses.　（非継続用法）
　　＝看護師にならなかった娘もいたという意味になる

＜４．複合関係代名詞＞
　　whoever, whichever, whatever

　・名詞用法
　　複合関係代名詞に導かれる節全体が主語・目的語などの名詞の役目をし、複合関係代名詞自体をany～thatで書き換えられることができる。
　　You can make friends with whoever is honest.
　　　　　　　　　　　　　　　whoever= anyone who
　　whoever is honest：withの目的語
　　whoever：関係代名詞節の中では、主語

　　You can take whichever you like.
　　　　　　　　　whichever= anything that
　　whichever you like：takeの目的語
　　which：関係代名詞節の中では、likeの目的語

　　Whoever comes will be welcome.
　　whoever= anyone who
　　whoever comes：文の主語
　　whoever：関係代名詞節の中では、comeの主語

　・副詞用法
　　複合関係代名詞に導かれる節全体が副詞の役目をしている時には、その副詞節全体は譲歩で訳す。
　　（たとえ～だとしても、～であろうとも）
　　　whoever：no matter who
　　　whichever：no matter which
　　　whatever：no matter what
　　　で書き直すことができる

　　Whoever telephones, tell them I'm out.
　　　　Whoever telephones= No matter who telephones

　　You are certainly right, whatever others may say.
　　　　whatever other may say= no matter who other may say

　・複合関係代名詞があとに続く名詞を修飾する形容詞の役目をする
　　①節全体が名詞節の役割をする場合
　　　You can buy whichever hat you like.
　　　　　whichever hat= any hat that
　　　あなたが好きな帽子ならどの帽子を買っても構いません。
　　
　　②節全体が副詞の役割をする場合
　　　Whichever road you may follow, it'll take less than 20 minutes to go to the airport.
　　　　　whichever road= any road that
　　　どちらの道を通ろうとも、空港には２０分未満で行けます。

＜５．疑似関係代名詞＞
　・as
　　①such 名詞 as 不完全な文：～のような
　　　I hate such delays as make one impatient.
　　　☆asは、関係代名詞節において、主語の役割をしている。

　　②the same 名詞 as 不完全な文：～と（種類が）同じで
　　　This is the same watch as I have lost.
　　　☆asは、関係代名詞節において、lostの目的語の役割をしている。
　　　cf)the same のみの場合、「まさに～」と訳す

　　③as 名詞 as 不完全な文
　　　He is as brave a man as ever breathed.
　　　彼は、今まで見たことのない勇気のある人だ。
　　　☆asは、関係代名詞節において、breathedの主語の役割をしている。

　　④注釈のas：～であるが
　　　As might have been expected, he passed the test.
　　　予期されていたかもしれないが、彼は試験に合格した。
　　　☆asは、関係代名詞節において、主語の役割をしている。
　　　　この場合、asの先行詞は、he passed the test.で関係代名詞節のあとに置かれる。

　・than
　　I withdrew more money than I had in the bank account.
　　口座から、残金以上のお金を引き出してしまった。
　　☆thanは、関係代名詞節において、hadの目的語の役割をしている。
　　　thanの先行詞は、more money。
　　
　　She asked for more than was necessary.
　　必要以上のものを要求した。
　　☆thanは、関係代名詞節において、wasの主語の役割をしている。
　　　この場合のmoreは、名詞でthan以下の関係代名詞節の先行詞。

＜６．連鎖関係代名詞＞
　親文の中の子文としてのthat-節の中の名詞が関係代名詞となり、全体の前に出る。
　つまり、関係代名詞の直後に主語＋動詞が挿入される形式のことを意味します。
　例文を見ながら確認します。
　・I will do thing.
　　I think the thing is right.
　　上の２文を関係代名詞を使ってひとつの文にすると、
　　I will do thing that(which) I think is right.
　　thing that(which)をwhatに書き換えると、
　　I will do what I think is right.

　・They made a variety of claims.
　　Many thought the claims were more political than factual.
　　同様に、上の２文をひとつの文にすると、
　　They made a variety of claims (that) many thought were more political than factual.
　　この場合、thatは、省略が可能となる。（省略されても、関係代名詞が省略されていることがわかる）

　　この形は、thinkのほかに、feel, believe, sayなどの動詞で目的語をthat節とする動詞でよく起こります。

＜７．関係代名詞の「基本の基本」＞
　・関係代名詞（あるいは、関係代名詞を含む名詞句もしくは、副詞全体）は、関係代名詞の先頭に出てくる。
　・英文の中で、関係代名詞が出てきたら、関係代名詞の範囲をしっかりと見分けよう。
　・関係代名詞節の修飾する先行詞をきちんと見つけよう。
　・関係代名詞が修飾する先行詞は文全体の中で主語、目的語、補語のいずれかの役割をしているのか確認しよう。
　・関係代名詞節は、不完全な文（先行詞となった部分が欠落）となり、先行詞を含めてると、完全な英文となる。

これで、関係代名詞は、終了となります。